毎年お伺いしているアメリカ製のグランドピアノ。六本脚です。
WEGMANという、特に高級品というわけではないピアノと思いますが、とっても良い音を出します。その原因はやっぱり箱にあると思います。その秘密は、ピアノを作った人にしかわからないのかもしれないですが、日本のピアノにはない響きはとても良いものです。
さて、調律にあたっては、早速名古屋で先輩調律師さんたちに聞いた方法を実践。今までにない音の聴き方でまたまた一歩ピアノに踏み込んでいけた気がします。およそ二百四十本あるピアノ線が形成する八十八の楽音は一つ一つが独立した単音であると同時に他の音と和音として響き合う要素ともなる。厳密にいえば、一つの音は残りの八十七の音と何かしらの関連がある。でも人間の耳に気持ちよく聞こえる和音の種類には限りがあるので、全部とは言わないけどきれいに混ざり合うことを意識しながら調律していく・・・。考えれば深くて難しいことですが、やればやるほど面白くなっていきます。
そういうわけで、今年はこのピアノで今までになかった新しい発見をしました。六本脚だけが特徴じゃない。ピアノとしてとても良い音を持っていて、演奏する楽しさがある。ものすごい収穫だと思いました。
また来年お邪魔するのが楽しみです。