背もたれ付きのピアノ椅子を「トムソン椅子」などと呼びます。
なぜトムソンなのかはわかりません。
そのトムソン椅子は、ハンドルを回して高さを調節する背もたれ「無し」のいすより寿命が短めです。
お世話になっているピアノの先生がこの椅子を三脚お持ちで、三脚とも不具合があって修理したいというご相談をいただきました。三脚中二脚は修理できそうでしたが、そのためには一脚部品取りとしてつぶす必要がありました。残った椅子が上記の写真のものでした。
長いことお預かりして、いつか座板にきれいに革を張ってお返ししようと思っていましたが、どうしても時間を作れませんでした。今回アップライトピアノの塗装をするにあたって吹き付けをしましたが、思い切って座板は木製で仕上げさせていただきました。
↓2x4のホワイトウッドを使用。椅子のフレームとほぼ同じ幅に切って載せ、最前面は足があるためノミで打ってくぼませました。それぞれ木ネジで両サイドを一本ずつ止めて、上からダボで目隠し。
座板の塗装も考えていたのですが、ホワイトウッドはシーラーを拭いただけでもこの白さがなくなってしまうのと、ペーパーで削って木の良い匂いが出ているのでこのままにしようかと思っています。汚れやすいので座布団などを置いてもらう、ということで・・・。
ただ、このままでも座り心地はけっこう良いですよ。
「高さの調整ができなくても、使えるなら使いたい」という先生のご希望もあり、また無駄にゴミをださないという当店の方針もマッチして仕上がった一品。気に入っていただけるといいですけど。

↓ペーパーで面取りをして、#400でスベスベになってます。