明日、8月31日の金曜日と9月1日の土曜日は、お盆のためお休みを頂きます。
9月2日の日曜日は午後1時より営業予定ですので、ぜひ遊びに来てください。
Tomorrow, August 31st and September 1st, the store will be closed.  September 2nd will be opened at 13:00.
今日は作業中のU3Aの鍵盤研磨作業です。鍵盤上面、バランスピン、フロントピンを研磨しました。
鍵盤の全面である木口(こぐち)は塗装しました。
Polishing key tops, balance and front pins.  I painted key front.

こちらがその塗料の調合風景です。
極力ゴミを出したくないのと、この木口がはがれにくく作業時間を要することなどを踏まえて塗装に踏み切りました。塗料は自動車用のウレタン塗料で、高級品を使用しているので塗面の強さは安泰です。
先日、ある大手企業が東北に進出し、既存の工場以上に生産性を向上させた新しい工場で雇用を創出することがニュースで報じられていました。とても良い話だと思う反面、デフレ不況と言われるこの世の中で更に作って売ろうという方針には疑問が残りました。もっともっとリサイクルを徹底すればいいのに、という思いがあります。私も、出来ることなら自分のオリジナルのピアノを作ってみたいと考えたこともありましたが、これだけさばききれないほど中古ピアノが出回っている現代で勝負をかけるのは得策ではないと思いましたし、リサイクルの方がコスト的に小さく済みますしね。ただ生産ラインが確立されているなら作った方が早いと思いますけど。
スタインウェイなどは「純正ではない部品が一つでも入ったらそれはスタインウェイではない」というキャッチコピーで自社ブランドを上手にアピールしていますよね。これはピアノに限らず、あらゆる分野のハードウェアに適用できるのだと思います。買い替え需要より、例えばバージョンアップ需要とかあったらおもしろいですよね。「俺、このデジカメ10年使ってるぜ。買ったときは700万画素だったけど、今は2000万画素。メモリは1GBから32GBまでアップグレードした。レンズは1回だけ変えたかな。この筺体の使い込んだ使用感が気に入ってる。」とか、あったらおもしろいと思いますけどね。
私の父が美容師を志したときに「他人の垢落とし」などと反対されたそうです。今こうしてリサイクルに力を入れている自分は血筋なのでしょうか、同じ道を歩んでいると感じています。こうしてピアノの汚れを一つずつ落として、他にはない美しいピアノによみがえらせることに誇りを感じています。だから、正直木口の塗装には不安はあるものの(もちろん保証はおつけします)、将来は自信を持ってお薦めしたいという思いでこちらのブログで紹介させていただきました。