お伺いしたお客様のピアノ、見たことのない型番がプリントされていました。
逆輸入ピアノですね。ちなみにこの写真のもう少し左の方にメーカーのエンブレムがあるのですが、その下に「Made in Japan」とプリントされていました。
そうなると興味がわくのはこのピアノの木がどう違うのか、というところです。
輸出先によってそれぞれの気候にあわせるため、木をどのくらい乾かすのか変わるそうです。
ちなみに国内のピアノが海外に多く輸出されていますが、現地ではこれらのピアノを「グレイゾーン」と呼んでいます。ご当地向けに乾燥させた木を使っていないので心配だからです。しかし適度に湿度を保った場所でならほとんど問題はない、とのことです。
日本にも欧米の一流ピアノがたくさんありますが、日本向けに作られているわけでもないでしょうし、整えられた環境で大切に使われていますから、その逆も然りということなのでしょう。
ちなみにグレイゾーンのくだりはアメリカのLarry Fine氏による「The Piano Book」からの出展です。英語ですが、メーカーの枠を超えて平等にピアノを評価している非常に良い本です。ときに厳しい意見もためらいなくぶつけられるのはアメリカならではなのでしょうね。