グランドピアノの弦が切れたというお問い合わせをいただき、修理に行ってまいりました。製造から30年近く経つピアノですが、断線は初めてのようでした。切れたのは低音弦のセクションでも高い方の音で、張力が強く比較的切れやすいところです。

一本の巻線弦を新しく張り替えると、安定するまでとても時間がかかります。本体に馴染むというのでしょうか。とにかくしばらくはすぐに音がずれてしまい大変です。これをなるべく音が狂わないように一発で落ち着かせるようにするのですが、やはりなかなかうまくいきません。およそ一週間後に再度点検に伺うことになっていますが、どのくらい変化しているでしょうか。ドキドキします。
修理工房では外装クリーニングを仕上げて組み立てて、ついにグランドピアノが形になりました。相変わらず最後の仕上げには時間がかかりますが、今回はそこそこ短縮できたと思います。

見た目は出来上がってとても綺麗になっていますが、楽器としてはまだまだこれから。慣らし運転が必要なのですが、今週お客様のところへ旅立って、新しいオーナーさまにたくさん弾いていただくことにします。