過去にも修理したことのある例です。
木目調のピアノは、丸々その木が使われていると思われることもあるようですが、基本的には化粧板という、見た目を綺麗にする木を厚さ1mm程度にスライスしたものを貼っています。現代のスライス技術はさらに進化していて、0.2mm程度まで薄いものもあるそうです。
そうした化粧板は、高温多湿な沖縄の環境下ではハガレることがよくあります。県外の技術者さんには珍しくみえることもよくあるそうです。
その化粧がはがれたというので、ピアノごとお預かりで修理かと思っていたのですが、ご予算の都合上、現地で修理することになりました。まず腕木という、ピアノ本体の横側のブロックのところを圧着して、調律。終わるまでに硬化するだろうと予想していましたが、ちょっと不安だったので出直すことに。せっかくなので上前板というパーツもお預かりして、修理工房で接着することにしました。
この局面、カーブした面を綺麗に貼るのに以前ものすごく苦労したのですが、今では簡単に貼れます。木目外装の修理はかなり自信をつけました。横の修理は割れがあって、その跡が残ったので写真には撮りませんでしたが、上から塗装すれば全くなかったようにできます。いずれ機会があればご紹介したいです。
できる範囲での修理となりましたが、喜んでいただけたようで良かったです。ありがとうございました。