私のオーバーホールの手順としては、まず本体の塗装をして、フレームを塗装して、弦を張り、アクション部品の交換という順番で楽器として機能させるところまで進めてから、残りの部品の塗装をしています。本体の塗装は2025年末までで終わっていましたので、そのご紹介をしたいと思います。

まずは響板の下塗りからです。響板の剥がれなどがなければ、ニスを剥がした上から上塗り1回で終わるのですが、今回は埋木修理があったので下塗りもします。

そして本体の下塗りを行います。英語でGrain Filling (導管を埋める)というそうなのですが、Facebookの方には外国の方から「それはやり方が違う」とツッコミが入りました。ペースト状の目止め剤を刷り込むように塗る作業をGrain Fillingというそうです。Sealingなのでしょうか。まあ、こんなやり方をしています。

乾いたら足付けという作業です。削るというより、傷をつけて次の塗装がしっかりつくようにする作業です。なので、きっちり削るというより、ざっくばらんに傷をつけるだけです。

ちなみにInstagramではBGMをつけることができるので、検索していたらYMOのコントもあったのでつけてみました。

続いては下塗りの2回目です。この塗料を二回塗ります。これで塗面がかなり熱くなります。ピアノの塗装は他の自動車や家具に比べてかなり強固にできていて、塗膜は大体0.4mmくらいになります。自動車は、特に最近は薄いといわれているので0.1mmくらいなのでしょうか。同じ塗料でピアノを塗ったことがありましたが、かなり厚く塗っても0.2mm程度だったので、ピアノの塗装が以下に強いかがわかります。乾くまで一晩寝かせるくらいは必要です。

下塗り二回目の後もペーパーを当てていきます。今回は傷つけるのもそうですが、平に整えることも目指します。木のでこぼこが塗面に現れるので、やすりで削ってならして行きます。二回目では完全に整わないので、三回目も吹きつけます。

三回目の吹きつけの後は、しっかり平にすることを意識して削って行きます。肉眼だけでは見逃すこともあるので、光を当てたり、手で触って指の感触で平ら具合を確かめます。そして響板も養生をとってペーパーをあてていきます。できたら下塗りはしたくなかったくらいなので、ここはかなり削ります。

そして仕上げの上塗りです。艶消し塗装にします。上塗りはすぐ乾くのでその日のうちに二回ほど吹きつけで終了です。響板は一回のみです。これもFacebookで特にアメリカ方面から「響板の塗装はそんなじゃない!」とか、「響板は交換するものだ!」とか結構いわれました。地域によって修理の方法がだいぶ違うんだな、ということがよくわかりました。

塗装が終わった部品を組み上げて行きます。通常は脚の塗装も後でするのですが、このピアノの場合は特殊で仮脚がつけられなさそうだったので脚も先に塗装しました。形状が複雑だったから大変だったので、先に塗装して良かった。鉄骨がなければピアノ本体の重さはタンスみたいなものです。一人でも問題なく作業できます。

そして鉄骨塗装です。この鉄骨がピアノの重さの原因で、寝かせるだけでも大仕事です。

これで本体関連の塗装が終わりました。ここで年を越して、音を出すための作業を始めて行きました。