ハンマー交換準備

新しいプロジェクトは現地オーバーホールです。1973年製造のグランドピアノ。お客様のところへ通って全弦張り替えをします。普通なら響板の塗り替えなど、工房でないとできない内容でしたが、ボディは状態が良いのでこれらの作業は回避。ハンマーや鍵盤部品の交換は工房へ持ち帰っての作業します。なのでまずは鍵盤をお預かり。本体が移動されるのを待ちます。今月中に仕上げる予定です。


同じく工房で作業中のG5は鍵盤のブッシングクロスの交換作業です。本体は弦を張れるところまで進んでいるものの、タイミングが合わず停滞しています。

除湿剤の悲劇



これは沖縄での気候ならではの事象でしょうか。たまに見るので紹介させていただきます。

ピアノに入れた除湿剤が長期間放置されたときの末路です。吸って溜め込んだ水分をついには吐き出してしまっています。困ったことに、この水分はただの水ではないので簡単には乾きません。ペダル周りのパーツが錆びて腐食することにより、底板ごと交換する羽目になることすらあります。

残念ながら沖縄県のピアノに除湿剤を入れたところで気休め程度にしか効果は得られません。やるなら除湿機がベストです。床置きタイプの洗濯物を乾かす除湿機です。エアコンの除湿では効果は劣ります。また、冷やして除湿するタイプは止めた途端に冷えたピアノに結露してしまうのでおすすめできません。

ピアノ用の防湿機は、ピアノを長期間使わないなど物置や人の来ない部屋に放置する際は電気代も安いので有効です。

しかしベストは除湿機です。防湿機は内側から乾かしますが、外から乾かすことで外装も守ってくれます(接着がはがれ、外装がはがれます。沖縄県外ではあまり見れられないようです)。部屋ごと乾かせば、壁紙、天井、床、カーペット、カーテン、室内の本をはじめ、全てを乾かしてくれる相乗効果は大きいです。

24時間除湿する必要はありませんが、例えば仕事や学校でお家が無人になるときや、夜皆さんが眠るときなど、だいたい1日の半分も除湿して入れば充分というのが経験上のおすすめです。そして、湿度計を置いて湿度が50〜60%(あくまで沖縄の場合です)にキープできればほぼ問題ないでしょう。

そして、以上を踏まえた上で最も大切なピアノのお手入れ方法は、「ピアノを弾くこと」です。

ピアノを弾くことで、各パーツが動き摩擦が生じ、弦、響板、ボディが振動することで微弱な熱が生じていると考えられます。自動車などもある程度走っている方がサビの進行が遅れます。人も運動している方が健康です。

ピアノの良い保存方法、ご相談ください。長持ち、良いお音、楽しい音楽、みんなリンクしてきます。ピアノを守ることがお家を守ることにもなり得ます。みんな大切な財産です。いたわってあげましょう。

G5B、クリーニング

アップライトピアノの整備のお仕事をいただいていたので止まっていたグランドピアノの整備を再開です。今回はピアノ教室での作業になるためいろいろ制約もありますが、昔やっていた方法を思い出しながら楽しんでます。

フレームの塗装と、響板をもう少し綺麗にしたら張弦です。

アグラフのクリーニングも終わっています。

春です。テンション上がります!

ピアノデザインの手帳カバー


スケジュール管理をするための手帳カバーを新調しました。

ほぼ日WEEKSという手帳を使っていまして、これに合う本革の製品をネットで検索して見つかったのが「らいちクラフトワークス」さん。ヌメ革を使用していること、既製品をベースにカスタムオーダーができることに興味を持ち、相談してみました。

最初は既製品に少し装飾をしてもらう程度に考えていましたが、製品の画像を見ながら湧いてくるアイデアを投げかけると、専門家ながらの提案をいただいたりして最終的にはグランドピアノの屋根をデザインに入れ込む全くオリジナルな手帳カバーになりました。

素敵な手帳カバーをありがとうございます。
FaceBookでも紹介されています。

生産というお仕事には憧れます。自分はリサイクルが中心。長く大切に使うのも大事ですし、この仕事は大好きだけど、自分だけのオリジナルの作品を生み出すことは羨ましく思います。
自分も大切にしたくなる仕事を残していきたいです。

南国ピアノ芸術 10周年 ありがとうございます。

2008年4月1日にフリーのピアノ調律師としての業務を開始し、本日で丸10周年を迎えることができました(ピアノ店をスタートさせたのは2009年です)。初めての自営業で何もかもが不安でしたが、周りの先輩から「頑張っていれは少なくとも自分が食べていけるだけは稼げるよ」と励ましの言葉をいただき、「本当かなあ」と疑心暗鬼ではあったものの、本当になんとかなってきたことは不思議の連続でした。こうしてお仕事を続けてこれたことは、応援してくださる皆様のおかげです。心より感謝を申し上げます。

ピアノ調律師としての技術力を高めることに注力し、アメリカでの試験、1級調律検定を合格し、オーバーホールから全塗装など一連の業務を経てここまでやってくることができましたが、まだまだ満たされることはありません。これまでと変わらずより良いピアノへの整備を心がけていきたいと思います。

そして、これまで先生方の協力で続けてこられたピアノ教室、2016年に立ち上げたブックストアとも連携を強め、より多くの人々にピアノに親しんでいただけるきっかけになれるよう世界中から知識を集め、仲間を募りながら努めて参りたいと思います。

今後とも、南国ピアノ芸術をどうぞよろしくお願いいたします。

2018年4月1日
関 勝史

UX、完成

全弦張替えしていたアップライトピアノが出来上がりました。UXは当時のピアノでは高級品。弦が新しくなったことで響きが豪快になっています。外装は部分塗装をして、椅子も塗装しています。近日お客様にチェックしていただいて、了承いただけたら納品日程を調整します。

UX、音出ました。

アップライトピアノのオーバーホールも大詰めです。弦の張替えが終わり、音を出すところまで進みました。あとは調律を繰り返し、鍵盤とアクションの調整です。

そして椅子の塗装をしました。収納可能なタイプをご希望されているので、もともとセットだったものを綺麗にします。

アップライトピアノをにゅうかしました。いずれも小さめの木目ピアノです。画像クリックで紹介ページへジャンプします。

UX、張弦開始

張弦が始まりました。X支柱のピアノの全弦張替は初めてのため、これまでの他のアップライトピアノとの違いを知ることができて楽しい。解体しないとわからないことってありますね。

毎年お世話になっているお客様のピアノの調律に行ってきました。購入していただいてもうすぐ10年になろうとしていますが、未だ弦に錆が出ていません。除湿をしていただくように説明して、その後丁寧に保存してくださった賜物です。沖縄は湿度が高いのが一番の問題であるものの、逆の見方をすればひたすら乾かせばいいだけなので、加湿も必要になる地域よりは管理方法はシンプルです。

定期的に除湿機を回し続けるのを定着させるのは難しいですが、成功例はあるので多くの方々に浸透していけばいいな、と思います。