コンサートピアノの保守点検

コンサートピアノの保守点検のお仕事をいただきました。

車に例えるとF1レースカーと形容されることもあるグランドピアノの最高級品です。長さは2メートル70センチ以上ある大きな箱が迫力ある響きを聞かせてくれて、長い鍵盤は演奏する人の繊細なタッチを正確に音に変換します。

このようなピアノをじっくり触れる機会はなかなかないので、とても勉強になるし、調律師としては光栄なお仕事です。堪能させていただきました。
こちらはサブ(?)のグランドピアノ。同じく保守点検でした。

YAMAHA CFX

コンサート調律のお仕事をいただいて行ってきました。

前半は1台、後半が2台での演奏となる構成で、スタインウェイとヤマハを使用するとのことでした。

こちらのホールにはヤマハのCFXが納入されていることは聞いていたので楽しみにしておりました。音を出してみると予想以上に綺麗な響きがしました。これからたくさん音を出していくことによって、さらに進化していきそうです。演奏家の方々も、弾くほどによく鳴るようになっていくのが楽しかったようで、ソロでも使ってみたい、という意見も聞かれました。

コンサートは男性のみの出演者で、力強い演奏が印象的でした。ハイドン、ラヴェル、ショパン、チャイコフスキーなど、華やかなプログラムを楽しませていただきました。メインで演奏された林海欧さんとは、10年以上前に小学校低学年の頃から見てきて、立派な姿を見て感慨深いコンサートでした。学生生活最後の一年を経て、彼も社会人として羽ばたいていきます。これからのご活躍に期待大な人物です。コンサート開催、おめでとう。お疲れ様でした。
新しいヤマハのコンサートピアノ。屋根のみがつや消しという、シブい仕上がりり新しいデザインも素敵です。

クラシック、ジャズピアニスト二人の面白い矛盾

wpid-20180131111233.jpg先日、ピアノ教室のブログで「クラシックとジャズのピアニストでは脳の働きが違う」という記事を紹介しました。それに関連する(?)話題を、楽譜に関する話題ということでこちらで紹介させていただきます。

TRANSCRIBING EVANS – FITTING JAZZ INTO A CLASSICAL BOX By Jed Distler

アメリカのSteinway & Sons社のサイトに掲載されていた記事です。ピアニストのジェド・ディストラー氏がジャズピアニストの巨匠ビル・エヴァンスの作品を採譜したときのエピソードで、タイトルが「ジャズをクラシックの箱にはめ込む」というような直訳ですが、楽譜に書き表すことがいかに難しいかを表現しています。

アート・テイタムの採譜をクラシック演奏家が録音するという企画のために採譜したことをエヴァンスが聞きつけ、同じように彼の演奏も採譜してほしいとディストラー氏に要請してきたので、いくつか採譜して差し出したところ、実際の録音とは違う和音に修正されたエピソードを紹介し、もう一方でクラシックの演奏家がエヴァンスの曲を演奏・録音するということで、採譜した楽譜を差し出したところ、演奏途中にアドリブが入って一音ずつ採譜を打ち合わせたのはなんだったのだろう、という不可解な経験…。一生懸命採譜したのに、どちらからもダメ出しされてしまったような、可哀想だけど面白いお話です。

もともと楽譜に準備されていない音楽だから、クラシックピアニストでもジャズピアニストでも、自分のイメージした音を優先してしまうということなのでしょうか。不思議です。ピアノ教室のブログでは、両者の脳の働きが違うという紹介をしたのに、ベクトルは違えど同じように働くこともあるようです。不思議です。

ひとまず音が出ました。


部品の装着完了、ということで、鍵盤の調整をして調律しました。大きいピアノらしい音が出ております。




Instagramにショートクリップをアップしました。曲は白雪姫の「いつか王子様が」です。よく歌ってくれていると思います。良い楽器になりました。

大きい響板と箱、長い弦があると響きがより豊かになっていいですね。内部もくまなくキレイにしたので眩しいくらいです。あとはハンマーの弦への当たり具合を良くして整えます。


来週の納品までにもう少し手を加えたいと思います。

ハンマーヘッド到着~取り付け

wpid-20180124105539.jpg最後の部品になったハンマーヘッドが到着しました。関東の大雪の影響で遅れることを覚悟してた割には、ほぼ普通通り到着してくれてよかったです。メーカーさんに見た目はオリジナルといっしょで、とお願いしたところ、全く同じ状態を再現してくれました。さて、音はどうなるのでしょうか!?

ハンマーヘッド以外の部品の下ごしらえはできていたので、即取り付け開始でした。順調に進んで取り付けも完了!下の写真は、本当にただ取り付けただけなので、その後の調整が多々必要です。ここからが調律師の本領になります。

音が聴けるところまであとわずかです!

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ところで、クラシックとジャズを演奏するピアニストによって脳の使い方が違うという興味深い記事を見つけました。ピアノ教室のブログで紹介していますので、どうぞご覧ください。

クラシックとジャズのピアニストでは脳の働きが違う

調律~椅子修理

wpid-20180123111330.jpgYAMAHA C7を調律しました。ただし、まだハンマーヘッドを交換し終わっていないのでチッピングという方法で、弦をはじきながら調律しました。音を正確に合わせるのはもう少し先のことで、ここでは弦の張力を本体のところまで上げていく作業になるので、音についてはアバウトです。合わせてもすぐずれますし。


wpid-20180122102420.jpgそうして弦を張る作業が終わったとほぼ同時に、弦が到着しました。予備の取り寄せなので困ることはないものの、終わった直後に届く真の良さか悪さがおもしろい。今回の注文はクリスマス後になってしまったため、例年のお菓子は同梱されていませんでした。ちょっと残念です。


wpid-20180123111353.jpgwpid-20180123111410.jpgそして、このピアノとは関係ないお仕事もひとつ。椅子の修理です。座版がMDFで作られているものは壊れる確率が高いのです。そうして、脚の部分だけ残った状態になって放置されてしまいます。たまにその椅子を再利用したいという方もいて、裏メニュー的に使えるように改造することがあります。ブログで紹介したら裏メニューではないですね。

革張りは弱いし手間もかかるので、こういうときは全部木で作ります、ということを前提にしています。革を使うより、木で作って座布団を置いてもらった方がずっと長持ちします。来週お届けします。桧がよい香りです。

脚塗装

グランドピアノのオーバーホールも大詰めになってきました。あっちを修理してこっちの部品をつけてと行ったりきたりしているのは、限られた時間を有効に使うため。バラバラなんだけど進んでいる、というような状況です。

脚柱はなかなか傷も多かったので下地から作り直しての全塗装です。かなり良い吹き付けができました。そしてツヤも素晴らしい。でもこれは塗料のおかげです。

国産ピアノ輸出モデル


今回ご依頼頂いたお客様のピアノは、YAMAHAのM1A。以前当店にも木目のものがありましたが、こちらは黒。つや消し仕様です。これは輸出用に作られたもので、お客様もアメリカきら持ち帰った、とのことでした。

輸出モデルは沖縄では特に多いのでしょうか。グランドピアノでもよく見かけます。いくつか特徴があるのですが、総じて国内モデルより箱の響きが豊かであるように感じます。欧米への忖度なのか?なんて意地悪なことを考えてしまいますが、いろいろな環境に耐えるために工夫をしてたまたまそうなっただけなのでしょう。


昔のピアノと現代のピアノを比較したとき、いろいろな意見があります。比較なので良し悪しが付くのは個人の意見で、客観的に見ればどれも良いピアノです。一台手に入れたら、なかなか2台目を持ったり交代することはないけど、ずっと連れ添っていける一台を見つけたいですね。